リキッドフィーディング
リキッドフィーディングとは?
リキッドフィーディング(Liquid Feeding)とは、食品ロスなどの食品原料に乳酸菌(ホエイなど)を混ぜ分解発酵させ、液状になった発酵飼料(エコフィード)を家畜に与える仕組みの事で、ヨーロッパを中心に広がりつつある新しい養豚システムです。国内ではまだ普及していませんが、このシステムは食品産業の「食品ロス」を家畜飼料として再資源化するため、「食品ロス」の焼却処分量を大幅に削減する事ができます。こうした理由から、ヨーロッパ諸国では高級ハムブランドなども、リキッドフィーディングで育てた豚を製品に使用しはじめており、肉質の良さや脂の甘さなど、品質の高さが認められています。
リキッドフィーディングと笑子豚のおいしさの関係
間違われる方が多いのですが、リキッドフィーディングは「残飯養豚」の事ではありません。
菅与では、食品メーカーから仕入れた食品ロス(主にホエイ、パン、麺類、焼酎粕など)を原料としています。それらを特殊装置を用いて粉砕し、ホエイと混合し乳酸菌で分解発酵させる事で、白い液体飼料が完成します。これがリキッド(エコフィード)です。当社のリキッドは、一般的なリキッドとは少し違い、pH4.5以下という厳しい出荷基準を設定し品質管理しております。いうなれば『管理型リキッド』ということです。
※エコフィード(Ecofeed)は、社団法人配合飼料供給安定機構の登録商標です。
社会のためになる、お客さまのためになる
リキッド
フィーディング
社会的貢献
食品ロスのリサイクル / CO2の排出削減 / 飼料自給率の向上 / 地方の雇用創出 / 地産地消の促進
安全・安心のご提供
おいしさ・品質の安定 / 安心のトレーサビリティ / 原油価格に依存しない食材 / 養豚施設の衛生化 / 豚の健康増進
なぜ日本ではあまり知られていないのか
なぜ、リキッドフィーディングは、なかなか日本に浸透しなかったのでしょうか?
導入コスト、設備メンテナンス、リキッド管理の難しさなどの理由があげられますが、浸透しなかったもうひとつの理由があります。リキッドフィーディングの素晴らしさが明らかになった頃、日本の養豚業界には、「リキッドフィーディングはおいしくないぞ、品質が安定しないぞ、肉質が悪くなるぞ」と言う悪い噂が一部でながれました。これまでの流れを変える、全く新しい養豚方法でしたので、このような噂が流れるのも無理もありません。さらには、昔の「残飯養豚」と誤解されてしまう事もあり、導入当初私たちも、頭を悩まされました。
こういった悩みは当社だけでなく、リキッドフィーディングを導入されている、全ての農家さんが抱えた悩みです。「この誤解をとかなければ・・・!」と試作・研究を重ねること3年、当社は独自のエコフィード製法を確立し、「エコの森 笑子豚(エコブー)」という自社ブランド豚を開発しました。
昨今、ようやく悪い噂や誤解が解け始め、食品リサイクルの重要性やリキッドフィーディングの趣旨を理解いただけるお客様も増えてきました。これも、リキッドフィーディングを推奨してくださっている団体様やリキッドフィーディングを導入されている農家さんの努力の結晶だと思います。
私たちも、根気強くこの取り組みを続け、社会貢献につなげて行きたいと思います。